そこには何もありませんでした。
音も空気も感触さえも。
私は気が付いたらそこにいて、気が付いたらそれが私でした。
私はその時、私という存在を初めて知りました。
私は私だと知った瞬間、私は無数の光が浮かぶ世界にいました。
大きかったり、小さかったり。明るかったり、暗かったり。
そしてその中にある未知数の光の一つ一つが温かかったり、冷たかったり、寂しかったり、様々な感覚を保っていました。
その中で一際大きな光。
優しさも、悲しさも、寂しさも持っていながら、全てを包んでしまえるような大きな光。
私の中の何処を探しても見つからないその光に、私は手を伸ばしました。
そうしたら、きっと私も、そこにある光と同じものになれると思ったからです。